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ニュース2025年7月19日(土)と20日(日)にJEGT2025シーズン開幕の舞台となる、日本最高峰のレース「全日本スーパーフォーミュラ選手権」(以下スーパーフォーミュラ)。
スーパーフォミュラは、日本最高峰というだけでなくF1への登竜門としても注目されるレースだ。
一方で、地上波のテレビ放送がないことから、普段グランツーリスモをプレイしていてもあまり馴染みがないという方も少なくないだろう。
JEGTの開幕戦開催前に、改めてスーパーフォーミュラの魅力を掘り下げてみよう。
スーパーフォーミュラは、日本国内のフォーミュラカーレースの頂点。
しかも、世界最高峰の自動車レースである「F1」に次ぐレーススピードを誇る。
数多くのF1ドライバーを輩出していることからも、世界レベルのレースであることは間違いないだろう。
まずは、スーパーフォーミュラの歴史を、名だたるドライバー紹介とともに振り返ってみよう。
スーパーフォーミュラの起源は、1973年の全日本F2000選手権まで遡る。
1970年代といえば、日本国内で自動車の普及が進み、本格的なマイカー時代を迎えていた時期だ。
庶民にとって自動車がより身近な存在になったこともあり、発足から順調に発展を遂げていった。
1978年に全日本F2選手権、1987年に全日本F3000選手権という変遷を経て、1995年には現在のスーパーフォミュラを運営する日本レースプロモーション(JRP)が発足。
翌1996年にスタートした全日本選手権フォーミュラニッポンは実に16年も開催されていたため、この名称のほうが馴染み深い方も多いだろう。
現在の全日本スーパーフォーミュラ選手権は、2016年から開催され、日本のトップフォーミュラカテゴリとして、40年以上も続く伝統あるレースだ。
日本国内のみで開催されるスーパーフォーミュラだが、歴史を紐解くと誰もが知るF1ドライバーが数多く参戦している。
また、日本人ドライバーのみならず国際的なスーパースターも参戦しており、F1の登竜門的なレースといえるだろう。
日本人初のF1ドライバー中島悟氏や、日本人として初めて表彰台にあがった鈴木亜久里氏も、当時の名称は異なるがスーパーフォーミュラ出身だ。
さらに、中野信治氏、片山右京氏、高木虎之介氏、佐藤琢磨氏、最近では中嶋一貴氏や小林可夢偉氏まで総勢8名のF1ドライバーを輩出。
また、F1ファンのみならず誰もが知るミハエル・シューマッハ氏も、スポット参戦ながら1991年に当時の全日本F3000選手権でステアリングを握っている。
近年のスーパーフォーミュラは、eMS選手も多く活躍している。
グランツーリスモファンの方には馴染み深い、イゴール・オオムラ・フラガ選手もその1人だ。
グランツーリスモ公式戦のネイションズカップで、初代王者に輝いた実績をもつ。
また、同じくグランツーリスモつながりという点では、小林 利徠斗選手(#1 QT DIG∞)にも注目したい。
JEGTのトップリーグでは、3連覇中のチームに所属する現役認定ドライバーだ。
eMSレースと掛け持ちで出場する選手はこの2名以外もいるため、従来からの実車レースファンだけでなくeMSファンも楽しめるだろう。
スーパーフォーミュラは、F1の様に自動車メーカーごとにマシンを製作して出場するわけではない。
使用されるマシンは1種類しかなく、ワンメイクレースとも呼べる形で実施されている。
ドライバーの腕が重要視されるという点では、イコールコンディションで戦うことの多いeMSにも通じる部分だ。
スーパーフォーミュラのマシンとレース形式について詳しく紹介しよう。
スーパーフォーミュラで現在使用されているマシンは、イタリアのレーシングカーメーカー「ダラーラ社」が製作した「SF23」。
エンジンは、トヨタ製、ホンダ製から各チームが選択する。
車体の大きな特徴は、使用する素材がカーボンニュートラルに対応していることだ。
レーシングカーの多くに使用されるカーボン素材と同等の性能を維持しつつ、CO2排出量を約75%抑制した「Bcomp社」のバイオコンポジット素材を使用。
また、タイヤに関しても横浜ゴムが供給する「カーボン・ニュートラルタイヤ」を採用し、レース全体として環境への影響を最小限に抑える取り組みをしている。
グランツーリスモ7にも、SF23がアップデートによって追加収録された。
タイヤこそ横浜ゴム製ではないものの、エンジンに関してはトヨタ製とホンダ製それぞれが収録されている。
スーパーフォーミュラは、全国各地のサーキットで年間12戦が開催される。
全13チーム、合計22台が出場するため、10チームで争われるF1よりも出走台数は多い。
レースフォーマットはF1に近く、予選タイムアタックで決勝レースのグリッドを決める形式だ。
予選がQ1、Q2にわかれている点も、F1と同様。
F1の登竜門として、世界から注目されているのも頷ける。
北は東北、南は九州まで全国各地で開催されるため、近所とまではいかなくとも比較的観戦しやすいだろう。
最寄りのサーキットでの開催日程をチェックして、ぜひ生で観戦していただきたい。
※各数字は2025年度
JEGT2025シリーズは、スーパーフォーミュラRd.6-7がおこなわれる富士スピードウェイで2025年7月19日に開幕を迎える。
シリーズ戦初となるリアルレース会場での開催は、JEGTが長年掲げてきたリアルとバーチャルの融合を体現した形だ。
スーパーフォーミュラとJEGTの関係は、2024年からすでに始まっている。
今年と同じ、富士スピードウェイでのレースに合わせて、JDS Lightを開催した。
特設ブースに設置されたコックピットで、グランツーリスモの世界を体験したレースファンの方も多いのではないだろうか。
今年はついに、トップドライバーたちによる真剣勝負のシリーズ戦が開催される。
スーパーフォーミュラとともに、eMSドライバー達の戦いもぜひ楽しみにしていただきたい。
Text:渡邉 篤
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