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2025年9月20~21日に、グランツーリスモ公式戦である「グランツーリスモワールドシリーズ(以下GTWS)の第2戦がドイツのベルリンで行われた。
JEGT参戦ドライバーとしても活躍する、宮園 拓真選手(#6 ZETA DIVISION)と佐々木 拓眞選手(#52 KANTOモータースクール SCARZ)がネイションズカップに出場。
JEGTのみならず日本を代表するドライバーだけに、世界での活躍が期待される。
世界が注目したGTWS Rd.2の模様を、日本人選手の活躍を中心に振り返ってみよう。
GTWSは、自動車メーカー別のチームに分かれるマニュファクチャラーズカップと、各国を代表する選手で争われるネイションズカップの2種のレースで構成されている。
Rd.2に出場する日本人選手はネイションズカップの2名のみだが、豪華な顔ぶれのマニュファクチャラーズカップも見応え十分。
まずは、それぞれのレースの見どころを、改めて確認しておこう。
>>JEGT参戦ドライバーが数多く出場したGTWS Rd.1の模様はコチラ
GTWS開幕戦で日本人選手が大活躍をしたマニュファクチャラーズカップだが、今戦の出場はない。
自動車メーカー別に争われるマニュファクチャラーズカップは、国をまたいだ混成チームが組まれるため各ラウンドに出場する選手が異なる。
ドイツで開催されたRd.2では、ヨーロッパ勢を中心に南米、中東の選手が出場した。
日本人選手の出場はないが、各チームの出場選手をみると実力派揃いの豪華な顔ぶれだ。
ネイションズカップで優勝経験のあるセラーノ選手、ウラ選手(スペイン)、ガロ選手(イタリア)をはじめ、ドルモン選手(フランス)やボネリ選手(ブラジル)といったGTWS常連選手も名を連ねる。
日本人選手の出場はないものの、グランツーリスモファンを唸らせるレースを展開してくれた。
ネイションズカップは個人戦のため、開幕戦に引き続いて宮園選手と佐々木選手が出場。
F1のように世界を転戦するというのは、さすが世界規模のGTWSだ。
また、9月6~7日には、両選手ともにJEGT2025シリーズ戦に出場したばかり。
さらに宮園選手は、9月13~14日には実車でのレースにも出場。
日本とドイツの距離を考えると、実車のレーシングドライバーも顔負けの過密日程だ。
過密日程のなかでのパフォーマンスが気になるところだが、今戦のレース結果だけでなくポイントランキング争いにも注目しておきたい。
2024年シリーズを制した宮園選手はもちろん、佐々木選手もチャンピオンを獲得できる実力は十分にある。
しかし、開幕戦での獲得ポイントは、佐々木選手は3pt(4位)、宮園選手は1pt(6位)にとどまった。
Rd.3以降にシリーズチャンピオンの可能性を残すためにも着実にポイントを確保しつつ、1つでも上のポジションを狙いたいところだ。
日本人選手2名が出場したネイションズカップでは、佐々木選手が見事な走りをみせてスプリントレースで自信初のポールポジションを獲得した。
開幕戦では思うような成績を残せなかったが、世界に存在感を示した形だ。
クレバーなレース運びで大きくポジションアップを果たした宮園選手の活躍とともに、レースを簡単に振り返ってみよう。
なお、レースの模様は、グランツーリスモ7のゲーム内やグランツーリスモ公式チャンネルでも確認できる。
マニュファクチャラーズカップでは、地元ドイツのニュルブルクリンクが舞台に選ばれた。
実は、GTWS Rd.2の前週9月13~14日に、今年から実車レースにも力を入れている宮園選手が「NLS ニュルブルクリンク耐久シリーズ 2025」で走っている。
その宮園選手がマニュファクチャラーズカップで所属しているスバルチームは、フランスのドルモン選手が予選タイムトライアルでポールポジションを獲得。
開幕戦を勝利で飾った宮園選手に続き、好位置から2連勝を狙う。
ニュルブルクリンク6周というロングディスタンスのレースは、レーシングソフト、ミディアム、ハード3種のタイヤに使用義務というレギュレーション。
スタートでソフトタイヤを選択したドルモン選手は、ラブトレー選手(BMW/フランス)を従えてオープニングラップから順調に後続とのマージンを築き上げていく。
ピットタイミングによって見かけ上の順位は変動したものの、全スティントで危なげないレース運びをしたドルモン選手がポールトゥウィンを決めた。
ネイションズカップでまず世界にアピールしたのは、JEGTでも速さに定評のある佐々木選手だ。
予選タイムトライアルでフランスの2選手を押さえて、トップタイムを記録。
決勝レースでのグリッド順を決める、スプリントレースのポールポジションを掴んだ。
スプリントレースではスリップストリームからフランス勢の逆転を許してしまったが、3位フィニッシュで決勝レースにつないだ。
一方の宮園選手は、実車レースからわずか1週間しかないという状況で、調整不足から予選とスプリントレースでは苦戦を強いられた。
しかし、決勝レースでは、ディフェンディングチャンピオンらしい自力の高さを見せつけた。
8番手の苦しい位置からのスタートのうえ、天候が変わるという難しいレース。
30周という長丁場のなかで、臨機応変なピット戦略と安定した走りで4ポジションアップを果たした。
5位でフィニッシュした佐々木選手とともに表彰台は逃したが、確実にポイントを積み上げて次戦、そしてワールドファイナルにつないだ。
GTWSの次戦は11月8日にロサンゼルスで開催されるRd.3を経て、12月にはいよいよ最終戦ワールドファイナルが日本の福岡県で開催。(「ジャパンモビリティショー 福岡 2025」内)
最終戦が日本で開催されるのは、GTWS史上初となる。
ネイションズカップに参戦する2選手に加えて、マニュファクチャラーズカップの全チームに所属する日本人選手も集結する。
せっかくの日本開催だけに、可能な方は現地観戦をぜひおすすめしたい。
また、当然ながら時差はないため、訪問が難しい方は視聴しやすい時間帯に配信される中継でも十分楽しめるだろう。
一方、ワールドファイナル前の11月29日(土)~30日(日)に開催される、JEGT2025シリーズのRd.4(チャレンジリーグ、企業対抗戦はRd.3)も見逃せない。
GTWSに出場する日本人選手のほとんどが、JEGTでも熱い戦いを見せてくれている。
1月にオフラインで開催される、ラウンドファイナルに向けて重要な一戦。
GTWSで活躍する選手たちが、どのチームでどんな戦いをするかに注目してみるのも面白いだろう。
レースの中継や過去放送のアーカイブはJEGT公式Youtubeチャンネルで見られるため、ぜひチャンネル登録をしてチェックしてほしい。
今シーズンも佳境に入るGTWSとJEGT、どちらも見逃せない戦いが続く。
Text:渡邉 篤
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