RACE REPORT
レースレポート山中選手が開幕戦優勝、初参戦 杉森選手2位、チャンピオン宮園選手は3位
【レースレポート / AUTOBACS JEGT GRAND PRIX 2021 Series 個人戦Rd.1】
増田 真吾
日本最大級のeモータースポーツの大会として、2019年よりスタートしたJEGT。2021年シリーズのスタートとなるINDIVIDUAL MATCH (個人戦)Rd.1が、9月6日にレッドブルリンクで行われた。
■2021シリーズ INDIVIDUAL MATCH Rd.1 予選グループA
予選グループA、ポールポジションは日産 GT-R Gr.4の#710 井芹選手。2番手はスバル WRX Gr.4を駆る#729 大田選手、3番手に三菱 ランサーエボリューション Final Edition Gr.4の#190 川上選手が続く。
スタートは#729大田選手がWRXの軽さを活かし1コーナーで前に出るも、2コーナーに向かう直線で#710井芹選手がトップを奪い返し再び1位。トップの2台は、1.5秒以内の差を保ったまま後続を引き離し始める。
一方、トップ2台の約3秒後ろでは、3位の#310 植木選手を先頭に9位#437 栂井選手まで7台が激しいポジション争いを展開。5ラップ目の4コーナーのアプローチで、#113 山本選手が#190 川上選手をプッシュ。それが原因で止まり切れず3位の#310 植木選手と接触し、#310 植木選手はコースアウトしてしまう。
6ラップ目の2コーナー、#190 川上選手が3位の#524 岡田選手に並ぶと3コーナーでインからパスし、#190 川上選手は3位に浮上する。
レースはそのままファイナルラップを迎え、1位は見事ポールトゥウィンとなった#710 井芹選手、2位は#729 大田選手。そして、8位まで2秒以内という混戦を制し#190 川上選手が3位、以下4位#524 岡田選手、5位#123高橋選手、6位#能條選手となった。
■2021シリーズ INDIVIDUAL MATCH Rd.1 予選グループB
予選グループB、ポールポジションを獲得したのは2020年シリーズROUND FINALで3位となった日産 GT-R Gr.4の#384 山中選手。2番手に三菱 ランサーエボリューション Final Edition Gr.4の#156 杉守選手、3番手はスバル WRX Gr.4の#355 久万田選手という今年初参戦の2名が続くが、#355 久万田選手はトラブルのためスタートできず、最下位まで順位を落としてしまう。オープニングラップはポールポジションの#384 山中選手、2位#610 城野選手、3位#156 杉守選手と続く。
3ラップ目の3コーナー、#175 兒島選手が2位を走行していた#610 城野選手の右リアに接触。このアクシデントによって多重クラッシュが発生し、#610 城野選手、#175 兒島選手、#156 杉守選手がコースアウト。2位だった#610 城野選手は9位まで転落してしまう。
その混乱をうまくかわした#914 鎌田選手が2位、#610 加藤選手が3位へ浮上し、1位山中選手は独走状態。クラッシュにより3位から5位に順位を落としてしまった#156 杉守選手だが、すぐさまバックストレートで4位の#156 鷲尾選手に並び、9コーナーでインからパスして順位を4位まで回復させた。
#555 加藤選手と#914鎌田選手は熾烈な2番手争いを展開する中、ペースが上がらない2位グループに#156 杉守選手が一気に差を詰め、5ラップ目の6コーナーのブレーキングで#914 鎌田選手をパスし3位へ浮上。両者はその後も僅差を維持したまま周回を重ねていく。
迎えたファイナルラップ、3位の#156 杉守選手が2位の#555 加藤選手に0.2秒差まで迫るもそのままゴールし、#384 山中選手は危なげなく1位となる。なお、2位でフィニッシュした#555加藤選手はトラックリミットペナルティにより4位となった。
■2021シリーズ INDIVIDUAL MATCH Rd.1 予選グループC
予選グループCのポールポジションは、2020シリーズの年間王者で日産 GT-R Gr.4を駆る宮園選手。ディフェンディングチャンピオンにのみ許された「#1」を背負う。2番手にスバル WRX Gr.4の#346 後藤選手、3番手は三菱 ランサーエボリューション Final Edition Gr.4の#495 岡村選手、4位マツダ アテンザ Gr.4の#456 草野選手が着ける。
スタート直後、2番手スタートの#346 後藤選手が抜群のスタートを見せ、1コーナーの飛び込みで1位へ浮上。しかし、その後のストレートで#1 宮園選手が並び3コーナーでトップを奪い返し、レース序盤から熱い戦いを繰り広げる。
2ラップ目、スタートで4位に順位を上げた#213 鍋谷選手が1コーナーの立ち上がりで、3位#495 岡村選手のすぐ後ろにつけるとその後の2コーナーでパス。その後しばらく大きな順位変動はないものの、2位#346 後藤選手は1位#1 宮園選手の背後0.5秒以内につけプレッシャーをかけ続ける。
6ラップ目、5位#191 菅原選手が4位#495 岡村選手との差を詰め始め、7ラップ目のストレートでその差を0.4秒以内に詰めると、3コーナーでは見事インをつき4位に浮上。そのころトップ争いはさらに激しくなり、9コーナーではサイドバイサイドのバトルを展開。アウトから#346 後藤選手が#1 宮園選手を抜きトップに立つと、ファイナルラップも#1 宮園選手の猛追を振り切りそのままゴールとなった。
3位#216鍋谷選手、4位#191菅原選手、5位#495岡村選手でフィニッシュ。なお、4位でフィニッシュした#191菅原選手はトラックリミットペナルティにより5位となり、#495岡村選手が決勝へ進出した。
■2021シリーズ INDIVIDUAL MATCH Rd.1 決勝
決勝のスターティンググリッドは、タイムアタックの結果、ポールポジションに#156 杉森選手、2位に#384 山中選手、3位#190 川上選手。予選でのトータルタイムで1位となった#346 後藤選手は8番手、2位の#1 宮園選手は4番手と、快晴だった予選とは異なるスリッピーな雨をどう制するのかが勝負の分かれ目になりそうだ。
スタートでは#384 山中選手が抜群の加速で前へ出ると、1コーナーでトップに。また、4番手スタートの#1 宮園選手も3位へステップアップし、GT-R勢のスタートの良さが光る。
レースは荒れることなく進むが、2ラップ目の5コーナーで7位を走行していた#729 大田選手に8位の#710 井芹選手が並び、6コーナーでパスして7位へ浮上した。
レース半ばには、1位の#384 山中選手に2位#156 杉森選手と3位#1 宮園選手がせまり、7ラップ目に入るころには3位まで0.6秒以内という接戦。まだ半分を消化したばかりでどうなるか分からないと思われた。しかし、2位を争う2台のペースが落ち込んだ隙を突き、1位#384 山中選手が逃げ、2位との差が広がる形となる。
12ラップ目、再び2位の#156 杉森選手と3位#1 宮園選手が1位#384 山中選手との差を詰めはじめ、13ラップ目にはその差を再び0.5秒以内とした。また、4位の#190 川上選手も3位と1秒差で続く。
ついにファイナルラップを迎え、2位#156 杉森選手は0.2秒以内でプレッシャーをかけ続けるも、1位の#384 山中選手は最後まで冷静な走りでそのままゴール。見事に2021シリーズ INDIVIDUAL MATCH Rd.1を制した。
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