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ニュースグランツーリスモ7は、2025年5月15日にV1.59へのアップデートを実施した。
合計4台の新車種が収録されたが、なかでも国産の1車種が異彩を放っている。
それは、スポーツカーや普通車、ましてやレーシングカーでもない軽トラックのスズキ キャリイだ。
アップデートが実行されると、Youtubeなどで多くのユーザーが取り上げていることからも話題性の高さがうかがえる。
グランツーリスモ7内では異色の車種ともいえる、スズキ キャリイについて詳しく紹介しよう。
キャリイに代表される日本の軽トラックは荷物の配達や農作業に利用されることもあり、普段あまり魅力ある車種として意識することはない。
しかし、実は今回収録されたスズキ キャリイは、同一モデルで10年以上も販売される人気車種だ。
また、軽トラックに対する高い評価は、国内にとどまらない。
スズキ キャリイの魅力を中心に、世界で評価される日本の軽トラックについて紹介しよう。
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キャリイの現行型は11代目だが、2014年のフルモデルチェンジからすでに11年目に突入する。
数年でのフルモデルチェンジが量産市販車では定石ということを考えると、驚異的なロングライフモデルといえるだろう。
初代キャリイが登場したのは、1961年まで遡る。
7代目までは3~4年スパンでのフルモデルチェンジを繰り返していたが、8代目以降から徐々に間隔が伸びていった。
今回のグランツーリスモ7に収録されたのは先代にあたる10代目キャリイで、1999年から2013年の実に14年も生産され続けた人気モデルだ。
軽トラックの代表格として長年親しまれているキャリイ。
コンパクトな車体ながら積載性能に優れ、狭い道や農道でも軽快に走れる高い機動力が魅力だ。
また、車体、エンジンともに頑丈なため、ヘビーデューティでも高い信頼性を誇る。
一方で、快適性の高さも、キャリイの魅力といえるだろう。
十分な広さを確保したキャビンにはエアコンも装備し、屋外の作業でも快適に過ごせる。
また、低燃費で維持費も安く、実用車としてはもちろん、レジャーやカスタムのベース車両としても人気が高い。
日本の軽トラックは、世界中で唯一無二の存在として高く評価されている。
どんな現場でも小回りの効くコンパクトさと、大型のピックアップトラックにも引けを取らない高い実用性が人気の理由だ。
また、頑丈で壊れにくく、構造がシンプルなためメンテナンスもしやすいことも支持を集める理由だろう。
さらに、シンプルな構造から、カスタマイズのベース車両としても重宝されている。
リフトアップやオフロード仕様、キャンピング仕様など、個性的なカスタマイズを楽しむユーザーも多い。
グランツーリスモの初心者が最初に戸惑うのは、アクセルオンでの車のパワーだろう。
収録されている多くの車種は、少しアクセルを踏むだけで200km/h前後まで簡単に加速する。
非日常的な爽快感を得られるのは魅力だが、操作の技術が伴っていないとまともにコーナリングができずかえってストレスを溜めてしまうこともあるだろう。
今回収録されたスズキ キャリイは、実車と同様に絶対的なパワーはない。
グランツーリスモ初心者にとっては、最適な練習車といえるだろう。
実はレーシングカーとの共通点もあるキャリイが、いかに練習に向いているかをみていこう。
キャリイは全開で走っても、実車同様にほとんどスピードが出ない。
TOKYO EXPRESSWAYを走らせてみたが、最高速はわずか123km/h止まり。
グランツーリスモ7に登場する他車とは比較にならないほど遅い。
初心者がグランツーリスモ7をプレイする際に最初に苦労するのは、アクセルコントロールだろう。
レーシングカーの強大な出力を、コントローラーの小さなボタンで繊細にコントロールするのは難しい。
一方キャリイであれば、普段乗る車に近い感覚でアクセルを全開にできる。
絶対的なスピードは出ないものの、アクセル全開領域でのステアリング操作を存分に練習できるのだ。
あくまでも「架空」という位置づけだが首都高を模したTOKYO EXPRESSWAYなら、アクセルコントロールだけで実車と同様に1車線だけを使って走ることもできる。
アクセルコントロールによる荷重移動と的確なステアリング操作を身につければ、レーシングカーでの走行に活かせるはずだ。
キャリイがグランツーリスモの練習に最適な理由は、駆動方式が多くのレーシングカーやスポーツカーと同様のFRという点もある。
初心者がグランツーリスモを難しいと感じるポイントが、FR車両のアクセルワークだ。
特に出力の高いFRの場合、コーナリング中に乱暴にアクセルを踏むとすぐにスピンをしてしまう。
パワーのないキャリイであれば、多少乱暴にアクセルを踏んでも簡単にスピンはしない。
アクセルワークによる挙動変化を、低速でしっかりと練習できる。
また、駆動方式がFRということは、ドリフトの練習もキャリイで可能だ。
ただし、深いアングルで長くドリフト姿勢を維持するには、ホイールベースが短く、パワーのないキャリイは向いていない。
むしろ上級者でないと、キャリイで迫力のあるドリフトはできないだろう。
あくまでもドリフトのきっかけや、姿勢維持のアクセルコントロールの基礎練習として取り組もう。
今回収録されたスズキ キャリイは、カスタマイズで大幅にクルマの印象を変更できる。
荷台部分に、貨物車両のようなアルミバンや屋台風の架装を施せるのだ。
当然、サスペンションやホイール、マフラーも他車同様に変更できるため、自分だけの個性的な「軽トラ」を作成できる。
また、エンジンや各部のチューニングによって、大幅なパワーアップも可能だ。
純正状態のパワーでは物足りなくなってきたら、レーシングスペックのキャリイというのも面白いだろう。
絶対的なパワーや速度がある車種ではないが、クルマ好きなら十分に楽しめるキャリイ。
単なるレーシングゲームではなく、さまざまな角度から楽しめるのもグランツーリスモ7のふところの深さだろう。
Text:渡邉 篤
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