グランツーリスモ7 ワールドシリーズが開幕！ JEGT選手も活躍したRd.1ロンドンの模様をレポート

グランツーリスモ7ワールドシリーズの舞台となったロンドン

多くのeMS（eMotorSports）プレイヤーにとって、夢の舞台ともいえるグランツーリスモ7の公式大会。
今年も総勢23名のプレイヤーを集めて、ロンドンで開幕を迎えた。
世界最高峰の選手たちによる熱い戦いは、実車レースと変わらない盛り上がりをみせる。

しかも今回は、多数の日本人選手が登場したうえ、その全員がJEGT認定ドライバーという顔ぶれだった。

2025年6月7日深夜（日本時間）におこなわれた、ワールドシリーズ開幕戦の模様をお伝えしよう。

世界規模で開催されるグランツーリスモ7公式レース

豪華な演出が会場を盛り上げる

映画「グランツーリスモ」が作られるほど、今や世界中のファンに愛されるグランツーリスモ。
公式戦もさすがというべき、世界規模のスケールで開催される。

また、昨年に引き続いて日本での開催もあるため、2025シリーズも見逃せない。
まずは、グランツーリスモ7の公式戦である、「ワールドシリーズ」の概要をおさらいしよう。

＞＞映画「グランツーリスモ」のレビューについてコチラ

予選を勝ち抜いた精鋭がF1のように世界を転戦

グランツーリスモ7の公式戦は、世界を転戦する方式で争われる。
ラウンド数こそ少ないものの、獲得ポイントによって最終順位を争う点も含めてF1と同様のフォーマットだ。

マニュファクチャラーズカップに関しては、ラウンドごとに出場する選手は1名のみだが、ネイションズカップは国を背負って文字通り世界を舞台に戦う。

レースは豪華にショーアップされた会場でおこなわれ、グランツーリスモ7やYouTubeを通じて全世界に配信される。

2025シーズンのワールドファイナルは日本で開催

グランツーリスモ7のワールドシリーズは、最終戦のワールドファイナルで年間王者が決定する。
そして、2025シーズンのワールドファイナルは、日本の福岡で開催されるのだ。
昨年はシリーズ第3戦が東京で開催され盛り上がったところだが、今回は最終戦ということでさらに注目を集めるだろう。

また、ワールドファイナルには、とくにJEGTファンの方であれば見逃せない要素がある。
マニュファクチャラーズカップのレギュラーシーズンは、各メーカーの代表から1名のドライバーしか参加しない。
しかし、ワールドファイナルは、3名のチームメンバー全員が集まって争われる。
つまり、JEGTと同様に手に汗握る、世界レベルのチーム戦が繰り広げられるのだ。

マニュファクチャラーカップのドライバーは全員日本人

マニュファクチャラーズカップに登場したのは全員JEGT認定ドライバーの日本人選手

ワールドシリーズ開幕戦のマニュファクチャラーズカップに参加するのは、アジア・オセアニア地区代表のドライバー。
そして、2025シーズンのアジア・オセアニア地区代表選抜では、すべてのメーカーで日本人ドライバーが代表を獲得するという快挙を成し遂げた。

しかも驚くべきことに、全員がJEGT認定ドライバー。
ネイションズカップ代表の佐々木 拓眞選手（#52 KANTOモータースクール SCARZ）、宮園 拓真選手を含めると、まるでJEGTの前哨戦ともいえるレースが展開された。

熾烈な争いになったマニュファクチャラーズカップ

まず、予選で魅せてくれたのは、鈴木 聖弥選手（BMW）だった。
1番手アタックで宮園選手（スバル）がマークした1分55秒387を上回る、1分55秒156というタイムを叩き出して決勝レースのポールポジションを掴んだ。
決勝レースでは、フロントローの鈴木、宮園両選手がソフトタイヤ、他のドライバーはミディアムタイヤを選択してスタート。
トップ2台がワンパックになって後続を引き離していく形で、レース序盤は進行していく。

また、後続のミディアム勢は、ほとんど差のないまま熾烈なポジション争いを展開。
優勝争いは、序盤のハイペースで後続を引き離した鈴木、宮園両選手に絞られた。

お互いにスリップストリームを使い合いながら再三順位は入れ替わったが、最終的にはファイナルラップでトップにたった宮園選手が優勝。
2位は鈴木選手、3位には接戦のなかで安定した走りを魅せた國分 諒汰選手（MAZDA）が入った。

昨シーズンのJEGTチームメイトが日本を背負ったネイションズカップ

ネイションズカップには、昨シーズンのJEGTで#52 KANTOモータースクール SCARZのチームメイトとして共に戦った佐々木 拓眞選手と宮園 拓真選手が出場。

また、ワールドシリーズのネイションズカップ代表という点でも、昨年と同様だ。

予選から光っていたのは、スペイン勢のセラーノ選手とウラ選手だった。
予選タイムトライアル、スプリントレースともにトップ2という成績で、決勝レースのフロントローを独占。

日本勢の佐々木選手は4番手、宮園選手は7番手という、やや苦しいスタートポジションだが、レースでの巻き返しに期待したい。

30周という長丁場の決勝レースは、多くの選手がスタートでミディアムタイヤを選択。
レースが中盤に差し掛かると、宮園選手がディフェンディングチャンピオンの実力をみせる。
スタート後には8番手まで後退する場面もあったが、13周目には4番手に浮上。
6番手の佐々木選手まで含めて、ワンパックのトップ集団を形成した。

レースが大きく動いたのは、やはりピットタイミング。

ミディアム勢の先陣を切ってタイヤ交換をしたのは、4番手を走行していた宮園選手だった。
2種のコンパウンドが義務付けられているレギュレーションのなか、17周目にいち早くピットに入りハードタイヤに交換。
アンダーカット戦略で、上位進出を狙う。

一方のトップ2を走行していたスペイン勢は、まったく異なる戦略をとった。
リアタイヤの残量がほぼなくなる20周目までミディアムタイヤを引っ張り、ソフトタイヤに交換。
アンダーカットとオーバーカットという極端に違う戦略が相まみえることとなり、終盤の展開に注目が集まる。

結果は、オーバーカット戦略をとったスペイン勢の勝利。
25周目に、セラーノ選手、ウラ選手が相次いでポジションを奪い返し、そのままフィニッシュを迎えた。
ミディアムからソフトというスペイン勢と同じ戦略をとった佐々木選手は、一時トップを走行する健闘を見せたものの惜しくも表彰台を逃す4位。
宮園選手は、スタートから1ポジションアップの6位フィニッシュで辛うじてポイントを獲得した。

グランツーリスモ7公式戦と同様にオフラインレースで開幕するJEGT2025シーズン

当然ながらマニュファクチャラーズカップの表彰台は日本人選手が独占

JEGTの2025シーズンは、シリーズ化後、初めてオフラインレースで開幕を迎える。
しかも、リアルレースの国内最高峰、スーパーフォーミュラと同時開催だ。
グランツーリスモ7を使用するeMSとして国内最高峰、唯一の賞金大会としてはこれ以上ない舞台といえるだろう。

そして、ロンドン開催のマニュファクチャラーズカップに出場した多くの選手が、今度は舞台を日本に移して再戦する。
世界を盛り上げた選手たちが今度はどんなレースを見せてくれるのか、2025年7月19日（土）に迎えるJEGTの開幕戦が待ち遠しい。
また、JEGTの2025シーズン開幕戦は、スーパーフォーミュラと同日に富士スピートウェイで開催される。
シリーズ戦としてはJEGT史上初の最終戦以外でのオフライン開催となるだけに、例年以上の盛り上がりをみせるだろう。
配信や観戦についての情報は、JEGT公式Xや公式YouTubeチャンネルの続報をチェックしていただきたい。

Text：渡邉　篤

ワールドシリーズに引けを取らない会場で開催されたJEGT2024シリーズRd.FINAL

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