RACE REPORT

レースレポート
  • 2022.12.20
  • 企業対抗戦

【レースレポート】 AUTOBACS JEGT GRAND PRIX 2022 Series Supported by GRAN TURISMO ROUND.1 企業対抗戦|終始安定した走りを見せたGR-TRESSA×AIRBUSTER RACINGが初優勝!

JEGT2022シリーズ企業対抗戦Rd.2の決勝ヒート2スタートの模様

JEGT2022シリーズ企業対抗戦のRound 2が、2022年12月3日にオートポリスを舞台におこなわれた。
今シーズンから開催となる企業対抗戦だが、開幕戦の盛り上がりを受け2戦目となる今戦から2チームが新たに参戦。
トップリーグと同様の合計10チームにスケールアップした、JEGT2022シリーズ企業対抗戦Rd.2の模様を詳しくお伝えする。

大会使用コースとレギュレーション

オートポリスインターナショナルレーシングコースを使用

企業対抗戦Rd.2に使用されたのは、九州にある国際規格サーキット「オートポリス」。
予選スーパーラップ、決勝ヒート1、決勝ヒート2の合計3セッションを各ドライバーが担当し順位を決定する。

>>Rd.2の舞台となったオートポリスのコース攻略法はこちら

ドライバーのテクニックが試されるオートポリス

使用サーキットは大分県にあるオートポリスインターナショナルレーシングコース。
山を切り開いて作られたコースで、高低差とさまざまな種類のコーナーが特徴のテクニカルコースだ。

抜きどころのないコースと言われる中、コース上でのバトルに注目が集まる。
また、タイヤに厳しいコースとしても有名で、決勝ヒート2でのタイヤ交換戦略も順位を左右する重要なポイントだ。

レースレギュレーション

実施形式 オンライン形式
使用コース オートポリスインターナショナルレーシングコース
予選形式 スーパーラップ形式(アウトラップ1周/アタックラップ1周) ※審議制度あり
決勝周回数 【ヒート1】7周 【ヒート2】14周
タイヤ摩耗 【ヒート1】3倍 【ヒート2】3倍
燃料消費 【ヒート1】2倍 【ヒート2】2倍
使用可能タイヤ 【予選】レーシングミディアム 【ヒート1】レーシングミディアム 【ヒート2】レーシングミディアム/ レーシングソフト※使用義務あり

企業対抗戦 ROUND1【予選スーパーラップ】

予選スーパラップトップタイムを記録した#103 甲斐選手(GR-TRESSA×AIRBUSTER RACING)

Rd.2から参戦の#7 中河西選手(eスポーツスタジアム郡山)がトップバッターで1:50.369を記録。
続く#8 福室選手(AUTOBACS)が1:43.815を記録しターゲットタイムを更新。

後続チームは1:45前後のタイムという水準のなか、#87 中井選手(HKS e-MotorSport)が1:43.792でトップタイムを塗り替える。
しかし、#103 甲斐選手(GR-TRESSA×AIRBUSTER RACING)がさらに上回る1:43.608を記録。

予選スーパーラップの結果、ポールポジンションは#103 甲斐選手(GR-TRESSA×AIRBUSTER RACING)で、2番手にはRd.1優勝チームの#571 大原選手(Team EMC x sti)が入りフロントローを確保。
3番手に#87 中井選手(HKS e-MotorSport)、4番手#8 福室選手(AUTOBACS)となった。
なお、#43 山原選手(Garaiya)はトラックリミット違反によりノータイム。

予選スーパーラップ

Pos Num Team Driver Time Gap
PP 103 GR-TRESSA×AIRBUSTER RACING 甲斐 陽翔 1:43.608
2nd 571 Team EMC x sti 大原 悠暉 1:43.786 +0.178
3rd 87 HKS e-MotorSport 中井 宏彰 1:43.792 +0.184
4th 8 AUTOBACS 福室 力 1:43.815 +0.207
5th 84 TOMEI POWERED 岩本 智樹 1:45.228 +1.620
6th 557 Team G-7AUTOSERVICE 河崎 峰 1:45.653 +2.045
7th 23 NISSAN × TRUST Racing Jr. 奥崎 玲 1:46.675 +3.067
8th 90 WEB OPTION RACING 深田 一希 1:47.335 +3.727
9th 7 eスポーツスタジアム郡山 中河西 宏樹 1:50.363 +6.755
10th 43 Garaiya 山原 翔太 NO TIME

ペナルティ内容

#43: トラックリミット違反

企業対抗戦 ROUND1【決勝ヒート1】

#87 尾形選手(HKS e-MotorSport)が#103 橋本選手(GR-TRESSA×AIRBUSTER RACING)をオーバーテイク

予選スーパーラップの結果、3番手までは順位こそ異なるものの前回のトップ3チームと同じ顔ぶれ。
企業対抗戦での初優勝を狙う2チームと、2戦連続勝利を目指す1チームの激しい攻防が予想される。

レースは予想通りポールスタートの#103 橋本選手(GR-TRESSA×AIRBUSTER RACING)から、3番手スタートの#87 尾形選手(HKS e-MotorSport)までの3台がオープニングラップから後続を引き離しつつ激しいトップ争いを展開。

テールトゥノーズのまま突入した3ラップ目の第2ヘアピンでは、#87 尾形選手が#571 松本選手のインに飛び込み2番手にポジションアップした。
#87 尾形選手は、さらに続く4ラップ目でトップを走る#103 橋本選手に追いつき、ホームストレートではスリップストリームから果敢にオーバーテイクを図る。

#87 尾形選手の仕掛けを絶妙なライン取りでかわしていた#103 橋本選手だったが、ついに5ラップ目の後半、ターン15のコーナー立ち上がりで#87 尾形選手に鼻先を入れられるとそのままオーバーテイクを許してしまう。

レースはこのままチェッカーを迎え、見事なオーバーテイクを決めた#87 尾形選手(HKS e-MotorSport)がトップ、1つポジションを落としたものの粘りの走りを見せた#103 橋本選手(GR-TRESSA×AIRBUSTER RACING)が2番手、Rd.1で優勝を決めた#571 松本選手(Team EMC x sti)が3番手となった。

今回から参戦した#43 山原選手(Garaiya)は予選ノータイムで最後尾スタートとなったものの、4つポジションをあげる大躍進を見せ6番手を獲得した。

なお、レース後の審議により、#23 長原選手(NISSAN × TRUST Racing Jr.)、#557 大西選手(Team G-7AUTOSERVICE)、#84 山中選手(TOMEI POWERED)の3選手にそれぞれ妨害行為がとられペナルティが加算されている。

Pos Num Team Driver Time Gap
1st 87 HKS e-MotorSport 尾形 莉欧 12:18.535
2nd 103 GR_TRESSA×AIRBUSTER RACING 橋本 理 12:21.814 +3.279
3rd 571 Team EMC x sti 松本 優一郎 12:22.023 +3.488
4th 8 AUTOBACS 上野 哲 12:34.343 +15.808
5th 23 NISSAN × TRUST Racing Jr. 長原 叶志郎 12:35.117
(+2.000)
+16.582
6th 43 Garaiya 檀野 興佑 12:35.847 +17.312
7th 90 WEB OPTION RACING 齋藤 龍之介 12:37.719 +17.312
8th 557 Team G-7AUTOSERVICE 大西 隆生 12:47.554
(+5.000)
+29.019
9th 7 eスポーツスタジアム郡山 前林 勇騎 12:52.342 +33.807
10th 84 TOMEI POWERED 山中 真生 12:52.705
(+4.000)
+34.170

※()内の数字はペナルティの秒数になります。

ペナルティ内容

#23: コーナー進入時の他車への妨害行為  (L6 / T11  #8に対して)
#84: 直線で後続車両に対する妨害行為  (L3 / T1  #43に対して)
#557: コーナー進入時の他車への妨害行為  (L3 / T15  #84に対して)

企業対抗戦 ROUND1【決勝ヒート2】

#43 岡村選手(Garaiya)はアンダーカットを成功させてポジションを上げる

タイヤに厳しいと言われるオートポリスで、タイヤ交換が義務付けられた決勝ヒート2は各チームのピット戦略が気になるところだ。
また、決勝ヒート1で上位3チームが混戦の様相を呈しているなか、4番手以下のチームの巻き返しがあるのかといった点にも注目したい。

スタート時のタイヤは、上位2チームがソフトタイヤ、3番手以下のチームがミディアムタイヤを選択。
#87 尾田選手(HKS e-MotorSport)、#103 鷲尾選手(GR-TRESSA×AIRBUSTER RACING)はソフトタイヤでレース前半にマージンを築く戦略だ。

レースは、スタート直後からヒート1と同じくトップ3チームが後続を引き離しながらトップ争いを繰り広げる。
ミディアムタイヤスタートの#571 大石選手(Team EMC x sti)もトップグループに食らいつくものの、ソフトタイヤでラップを重ねるトップ2チームとの差が徐々に離れていく。

一方、後方からのスタートとなったチームは、早めのピットイン戦略をとる。
8番手スタートの#84 上野選手(TOMEI POWERED)は、一発逆転を狙った作戦で1ラップ目にピットインしソフトタイヤに交換。
3ラップ目には#43 岡村選手(Garaiya)、#8 今里選手(AUTOBACS)、#557 鎌田選手(Team G-7AUTOSERVICE)、#7 小倉選手(eスポーツスタジアム郡山)が相次いでピットインし、ソフトタイヤに交換する。

続く4ラップ目に#571 大石選手がセオリー通りの周回でピットインしたタイミングで、#43 岡村選手が3番手に浮上。
アンダーカットを狙った早めのピットイン作戦が見事に的中した。

コース上での大きな順位変動もないまま、レース中盤に差し掛かった6ラップ目。
先頭を快走していた、#87 尾田選手が立体交差手前でまさかのスピンしてしまい、#103 鷲尾選手が思わぬ形でトップに浮上した。

#43 岡村選手を先頭とする見かけ上の3番手集団は順調にペースをあげ、スピンを喫した2番手#87 尾田選手との差を徐々に詰める展開。
ピット作業後のポジションに注目が集まる。

そして迎えた10ラップ目、まずはトップの#103 鷲尾選手がピット作業をおこないそのままのポジションでコースに復帰する。
続いてのピットインした2番手を走行中の#87 尾田選手は、#43 岡村選手を先頭とする3番手集団にピット作業中にかわされてしまう。

レースはこのまま、1位#103 鷲尾選手、2位#43 岡村選手、3位#557 鎌田選手の順でフィニッシュ。
しかし、レース後審議となり最終的な順位は以下の通りとなった。
優勝はコース上の順位と変わらず#103 鷲尾選手(GR-TRESSA×AIRBUSTER RACING)。
2位には審議による逆転で#571 大石選手(Team EMC x sti)、3位はRd.2からの参戦となった#43 岡村選手(Garaiya)。

レース後の審議により、#43 岡村選手(Garaiya)、#557 鎌田選手(Team G-7AUTOSERVICE)、#8 福室選手(AUTOBACS)にそれぞれペナルティが課せられている。

Pos Num Team Driver Time Gap
1st 103 GR_TRESSA×AIRBUSTER RACING 鷲尾 拓未 24:41.203
2nd 571 Team EMC x sti 大石 澄海 24:47.335 +6.132
3rd 43 Garaiya 岡村 康平 24:48.576
(+3.000)
+7.373
4th 87 HKS e-MotorSport 尾田 結都 24:50.308 +9.105
5th 557 Team G-7AUTOSERVICE 鎌田 智暉 24:51.983
(+6.000)
+10.780
6th 8 AUTOBACS 今里 駿斗 24:52.950
(+3.000)
+11.747
7th 7 eスポーツスタジアム郡山 小倉 祥太 24:57.131 +15.928
8th 84 TOMEI POWERED 上野 柊斗 24:58.828 +17.625
9th 23 NISSAN × TRUST Racing Jr. 新川 真也 25:00.016 +18.813
10th 90 WEB OPTION RACING 高橋 一樹 25:00.130 +18.927

※()内の数字はペナルティの秒数になります。

ペナルティ内容

#8: ピットレーン ホワイトラインカット
#43: ピットレーン ホワイトラインカット
#557: ピットレーン ホワイトラインカット
#557: コーナー中、後続車へ衝突狙いの減速・幅寄せ(L11 / T1  #571に対して)

ハイレベルで見応えのあるレース展開

初優勝に喜ぶ#103 GR-TRESSA×AIRBUSTER RACINGのメンバー

企業対抗戦には、JEGT認定ドライバー以外の社員ドライバーの参加が義務付けられておりドライバー間の実力差が大きい。
しかし、見事に隙をついたコース上でのオーバーテイクやピット戦略の違いによる逆転劇など、手に汗握るレース展開観る者を飽きさせない。
しかも、1位#103 GR-TRESSA×AIRBUSTER RACINGと2位#571 Team EMC x stiは、予選から決勝3セッションを通じてまったくペナルティを受けないクリーンなレースを展開し、JEGTが重視しているルール遵守の意識も高かった。

トップリーグに比べると荒い部分もあるが、その分順位変動も激しい。
今回も、#43 Garaiyaが初参戦で3位表彰台を獲得するなど、見応えのあるレースだった。
JEGT2022シリーズの企業対抗戦はRd.2で終了となるが、来季以降の開催にも大いに期待したい。

なお、JEGT2022シリーズトップリーグは、最終戦となるRd.3が2023年1月14日(土)にオンラインとオフラインで同時開催される予定だ。
しかも、会場は日本最大のカスタムカーイベント“東京オートサロン 2023”。
今回のレースでJEGTに興味を持った方はぜひ会場に足を運び、生でおこなわれるレースの迫力と興奮を体感してほしい。

Text: 渡邉 篤
>>JEGT2022シリーズトップリーグ最終戦Rd.3の詳しい情報はこちら

見応えのあるレース展開となった JEGT2022 Rd.2企業対抗戦 アーカイブ

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【エントリーリスト公開】JEGT 2022 Series Rd.2 企業対抗戦/トップリーグ

 

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