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グランツーリスモ7を使用する国内最高峰のeMSリーグJEGTが、2026年7月18日(土)に2026シリーズの開幕を迎えた。
トップカテゴリのグランプリシリーズ(以下GPシリーズ)は、昨年に続きスーパーフォーミュラと同日開催となる富士スピードウェイでのオフラインレースだ。
年間でも限られた特別な舞台で圧巻の走りをみせたのは、着実に実力を蓄えてきた#610 KOSHIDO RACING。
予選スーパーラップから決勝レースまで、一分の隙もないパーフェクトウィンを達成してみせた。
今季の勢力図の変化を予感させた開幕戦の模様を、詳しくレポートしよう。
昨年に続いて、富士スピードウェイの特設会場で開催された。
実況に鈴木学氏、ゲスト解説には谷口信輝氏というリアルモータースポーツで有名な二人に加え、JEGTスペシャルアドバイザーの山中 智瑛氏も解説に加わる最強の実況陣。
本コースでのスーパーフォーミュラにも負けない、熱い実況が会場を盛り上げた。
JEGT2026シリーズは、昨年同様にスーパーフォーミュラが行われる富士スピードウェイで開幕。
フォーミュラカーのエギゾーストノートが響くなか、JEGT特設会場は本コース同様の熱気に包まれていた。
開幕かつオフラインレースという、選手にとってはやりがいとともに緊張感も高まる状況。
普段とは違う空気感のなか、今季を占う開幕戦でどんなレースを見せてくれるのか期待が高まる。
そして、開幕戦の決勝レースに選ばれたコースは、もちろん富士スピードウェイ。
JEGTはGr.3カーが走るという違いはあるものの、画面上と眼の前に広がる風景は当然同じ。
レースそのものはバーチャルながら、リアルを感じられる環境で選手はレースに臨む。
| 使用コース | 富士スピードウェイ |
| 使用マシン | Gr.3 |
| 周回数 | 22周 |
| 使用可能タイヤ | レーシングミディアム/インターミディエイト/ヘビーウェット |
| 燃料消費倍率 | 1倍 |
| タイヤ摩耗倍率 | 4倍 |
| 初期搭載燃料 | 20L |
まさに開幕戦にふさわしい、手に汗握るレース展開だった。
古豪チームが新興チームを迎える一方、参戦後思い通りの結果を残せていなかった中堅チームが襲いかかる。
詳しくはJEGT公式YouTubeチャンネルのアーカイブをご覧いただきたいが、レースの見どころを抜粋してお届けしよう。
開幕戦に先立って行われた予選スーパラップは、昨年までとは大きく異なる様相を呈した。
今シーズンから昇格した#6 ZETA DIVISIONの鈴木 聖弥選手が、序盤でトップタイムを記録。
ターゲットタイムを目指して各チームがアタックをするも、更新には至らない。
しかし、予選最終盤、昨年シリーズ2位の#610 KOSHIDO RACING 橋間 隼選手がGPシリーズ古豪チームとしての意地をみせる。
わずか1,000分の6秒上回る、1’37.592を叩き出してポールポジションを獲得した。
一方、ディフェンディングチャンピオンの#1 QT DIG∞はエース川上 奏選手がステアリングを握ったが、思ったようにタイムが伸びず7番手。
今シーズンのハイパースプリントには、もう1つレースを難しくする要素が加えられた。
タイヤ消耗倍率が、50倍にまで引き上げられたのだ。
山中氏によると、2周のレース終盤ではかなりグリップが低下するとのこと。
終盤に向けての、両者の駆け引きにも注目していただきたい。
GPシリーズのレベルの高さを感じたのは、初戦に登場した久万田 崚選手(#610 KOSHIDO RACING)だった。
後方スタートの瀬川 彰斗選手(#9 WEINS)に序盤でオーバーテイクを許して追う展開。
しかし、このまま勝敗が決するかに思われた最終コーナー飛び込みで、レイトブレーキングでポジションを奪い返して勝利を決めた。
対戦後のインタビューで「向かい風だったので、ブレーキで思い切って突っ込んだらいけました」と語り、風向きまで計算していたことを明かした。
新たなレギュレーションでタイヤのグリップが低下していたこともあって、紙一重の判断が勝敗を分けたということだろう。
雨がわずかに残るセミウェットというコンディションで迎えたスタートだったが、全車ドライタイヤを選択。
レース序盤は各車路面状況を見ながらというペースで、大きな動きなくラップを重ねていく。
そのなかで、ポールスタートの橋間選手(#610 KOSHIDO RACING)は、予選トップタイムの好調さを維持して後方とのマージンを築いた。
膠着状態が続き、解説の山中氏も後半の勝負と予想するなか、多くのチームが11周目にピット作業に向かう。
ピットアウト直後に鍋谷 奏輝選手(#52 SCARZ)が一時2番手にポジションをあげるなど、予想通りややレースが動き始める。
宮園 拓真選手(#6 ZETA DIVISION)も、再度ポジションを奪い返して黒畑 蓉選手(#610 KOSHIDO RACING)との差を詰める展開。
しかし、終始落ち着いたドライビングをみせた黒畑選手が最後までポジションを守りきってポールトゥウインを決めた。
2位は宮園選手(#6 ZETA DIVISION)、3位は猛追も一歩届かなかった鍋谷選手(#52 SCARZ)。
開幕前の注目度という意味では、4連覇中の#1 QT DIG∞と国内最高ともいえる選手を揃えて昇格してきた#6 ZETA DIVISIONが群を抜いていた。
しかし、チャンピオンシップ争いで一昨年3位、昨年2位と着実にステップアップを果たしてきた#610 KOSHIDO RACINGが存在感をみせてパーフェクトウィン。
積み上げてきた実績と培ってきた経験を活かす、見事な走りをみせた。
さらに細かくみていくと、今戦の結果からは群雄割拠の時代の訪れを感じる。
予選スーパーラップでは、なんと全10チームがすべて1秒以内。
下位に沈んだようにみえる#1 QT DIG∞も、トップとはわずかコンマ6秒差ということで決して遅いわけではない。
また、4番手スタートだった#52 SCARZも、ピットアウト直後には2位に躍り出るなど、最後まで上位を脅かすレース運びをした。
#610 KOSHIDO RACINGの完全勝利は、JEGTに新時代が訪れたことを予感させる。
個の力だけでは測れない、戦略性やチーム戦というJEGTの面白さが存分に感じられるレースだった。
Text: 渡邉 篤
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