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2026 AUTOBACS JEGT グランプリシリーズ(以下GPシリーズ)のRd.3が、9月13日に行われた。
Rd.3を終えるとシーズンが折り返すという、シリーズチャンピオンの行方を占ううえでも大事な一戦だ。
また、今シーズン初にして、唯一オンラインで行われるラウンド。
結果だけをみれば2連勝の#6 ZETA DIVISIONが前戦に続いて強さをみせた形だが、レース展開はこれまでの2戦とは大きく異なっていた。
実車レースのようなトラブルも発生した、GPシリーズRd.3の模様を振り返ってみよう。
2026シリーズのGPシリーズが過去のシリーズと大きく異なる点は、全6戦のうち実に5戦がオフライン開催されることだ。
そして、今戦Rd.3が、シーズン唯一のオンラインレース。
画面を通してみる観戦者が感じる以上に、オンとオフの違いは選手に大きく影響する。
具体的にオンラインレースは選手にどう影響するのか、Rd.3のレギュレーションとともに紹介しよう。
オンラインレース最大の違いは、レース環境が普段の練習環境と同じになるという点だ。
普段使い慣れたハンコン、座り慣れたシート、周囲の明るさや温度まで選手個々人が自分で整えた環境でレースに臨める。
目の前に観客やスタッフがいるわけでもないため、集中力を阻害する要素も少ない。
つまり、外的影響が少ないことでベストパフォーマンスを発揮しやすいということだ。
実は、各ドライバーのパフォーマンスが高まるという点で、オンラインレースはオフラインにない面白味が生まれる。
もともとトップドライバーの実力は拮抗しているが、その差がさらに縮まるのだ。
人前だと緊張する、デバイスが変わると思うような走りができないといった要素は、本来の実力と関係のない個人差だ。
結果を左右するのは実力のみというシンプルな図式に近づくため、オンラインレースはいつも以上に白熱した展開になりやすい。
| 使用コース | 東京エクスプレスウェイ・南ルート 内回り |
| 使用マシン | Gr.3 |
| 周回数 | 15周 |
| 使用タイヤ | レーシングソフト |
| 燃料消費倍率 | 1倍(初期搭載燃料:30L) |
| タイヤ消耗倍率 | 3倍 |
昇格初年度で開幕2戦を2位・1位と順調な成績を積み上げてきた#6 ZETA DIVISIONだが、今戦は少し不安な要素があった。
8月のアップデートによる影響で、コースに対して使用するマツダ RX-VISION GT3 CONCEPTは不利だとみられていたためだ。
実際、予選ではポール獲得を逃し、レース中には後続車にポジションを譲るなど苦しい展開だった。
しかし、最終的なリザルトは、先述したようにRd.3で見事な勝利。
ただ速いだけでなく、劣勢でも諦めない粘り強さをみせた。
今季不振にあえぐ#1 QT DIG∞の久しぶりの活躍や、実車のようなマシントラブルに見舞われた#4 EBBRO RACING TEAMなど勝利チーム以外にも見どころが満載だったRd.3の模様をみていこう。
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大会に先立って行われた予選スーパーラップで、ポールポジションを獲得したのは國分 諒汰選手(#52 SCARZ)。
2番手の佐々木 虎士郎選手(#6 ZETA DIVISION)に0.388秒差をつける、1分58秒390という好タイムをマーク。
壁の近い市街地コースをほぼ限界まで使いながら、いぶし銀の走りで大きなミスなくまとめ切った。
そして3番手は、ここまで苦しい戦いの続く#1 QT DIG∞の倉橋 勇斗選手。
ハイパースプリントで注目の対戦は、シリーズランキング1位と2位の直接対決となった第2戦だ。
Rd.3の結果に影響することはもちろんだが、直接のライバルを相手に5ptを奪えるというのはシリーズチャンピオン争いにおいても大きな意味をもつ。
奥本 博志選手(#6 ZETA DIVISION)と久万田 崚選手(#610 KOSHIDO RACING)が、オートポリスで対戦した。
ハイパースプリントを得意とする奥本選手は、終始久万田選手を寄せ付けない走り。
短い加速区間でも効果的にオーバーテイクシステム(OTS)を使い、最後までオーバーテイクを許さず5ptを獲得。
そして、ぜひJEGT公式YouTubeチャンネルのアーカイブでもご覧いただきたいのが、鍋谷 奏輝選手(#52 SCARZ)と赤羽 佑互選手(#8 ARTA)の対戦だ。
先頭スタートの鍋谷選手に対し、赤羽選手はオープニングラップからやや離される展開。
しかし、諦めることなくスリップストリームを使って再接近すると、ファイナルラップの最終コーナーでアウト側からのオーバーテイクを決めてそのままチェッカー。
先行有利といわれるハイパースプリントで、赤羽選手が見事な逆転勝利を掴んだ。
15周で争われた決勝のセミ耐久レースは、初期搭載燃料が制限されたことから全車に給油によるピット戦略が要求されるレギュレーションで行われた。
序盤は、ポールスタートの佐々木 拓眞選手(#52 SCARZ)と2番手の鈴木 聖弥選手(#6 ZETA DIVISION)が争う展開。
しかし、2周目には#1 QT DIG∞の佐藤 彰太選手が、2台まとめてオーバーテイクという大胆な攻めをみせて一気にトップに躍り出る。
4番手スタートの佐々木 唯人選手(#9 WEINS)も、その間隙を突いて3番手に浮上。
さらに、レーススピードの伸び悩みに苦しむ鈴木選手は、ウインカーを出して佐々木 唯人選手に2番手ポジションを譲る。
一方レースは、2周目にトップに立った#1 QT DIG∞の佐藤選手が、佐々木 唯人選手とポジション争いをしながらも快走。
このまま今季初勝利かと思われた最終盤の14周目、まさかの試練が#1 QT DIG∞を襲う。
経験豊富でマシンコントロールにも長けた佐々木 唯人選手が、オーバーテイクを図った際に接触。
佐藤選手はスピンを喫してしまい、レースの勝負権を失ってしまった。
このレース、思わぬ事態はさらに発生。
少なくとも表彰台、状況によっては優勝も狙える位置を走行していた加藤 陸選手(#4 EBBRO RACING TEAM)が、最終ラップのヘアピンコーナー立ち上がりで突然の失速。
デバイスのトラブルでシフトアップができなくなったことが原因という、実車レースかのようなトラブルだった。
さまざまなドラマのあったレースで見かけ上トップチェッカーを受けた佐々木 唯人選手だったが、接触のペナルティ裁定で最終順位は大きく後退。
苦しみながらもスタートポジションの2番手でゴールまで帰ってきた#6 ZETA DIVISIONの鈴木選手が、結果的に勝利を手にした。
2位は佐々木 拓眞選手(#52 SCARZ)、3位はレース中にいち早くピット作業に動いた神藤 巧磨選手(#101 REIGNITE)。
Rd.3の#6 ZETA DIVISIONは、圧倒的な速さを発揮するとはいかなかった。
勝利後のインタビューのなかで鈴木選手は、どうにか表彰台だけはという意識で臨んだことを明かしたうえで「狙った以上の結果」と振り返った。
楽なレースにならないことは、戦前から予想していたようだ。
しかし、予選での2番手ポジション、ハイパースプリントでの勝利、決勝レースで崩れない走りという総合力を発揮。
不利な状況でもしっかりとレースを作るという、チームとしてのレベルの高さを見せつけた。
一方、不運な形で勝利を逃した#1 QT DIG∞だが、3番手からのトップ浮上、レース最終盤までのポジションキープと随所に昨年を思い起こさせる王者らしい戦いぶりを展開。
結果こそ伴わなかったが、シーズンの折り返し前に十分戦える姿をみせられたのはチームとしても大きかったのではないだろうか。
次戦のRd.4・Rd.5は11月28日(土)・29日(日)に、JEGT誕生の地、神戸ファッションマートで7年ぶりに開催される。
トップを独走しかかっている#6 ZETA DIVISIONを各チームがどう追うのか、#1 QT DIG∞の巻き返しはあるのか、#52 SCARZが悲願のシリーズ制覇に向けて猛追をみせるのか、ご自身の注目ポイントをみつけて、ぜひ現地やJEGT公式YouTubeチャンネルで見届けていただきたい。
Text:渡邉 篤
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