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2026年7月18日、JEGT2026グランプリシリーズの開幕戦がおこなわれた富士スピードウェイ。
同会場では、「KYOJO×TGR×JEGT e-Motorsports EXHIBITION」というエキシビジョンマッチも開催された。
リアル、バーチャル双方の女性選手が、グランツーリスモ7を舞台に熱いレースを展開。
JEGT認定ドライバーも参加したスペシャルレースも含めて、YouTube放送のなかった本イベントを詳しく紹介しよう。
男女が混走するカーレースでは、体力差が結果を左右する場面が少なくない。
その点、全員が同一スペックのマシンで戦うeMSは、性別や体力の差を持ち込まない土俵といえる。
今回のコラボは、リアルとバーチャルという異なる畑の女性ドライバーが、GT7という共通の舞台でひとつになった一戦だった。
まずは、三者が交わった背景から振り返っていこう。
KYOJO CUPは、2026年で創設10年目を迎えた女性限定のリアルレースだ。
その根幹にあるのが、全ドライバーが同一車両で戦うイコールコンディションである。
車両をシリーズ側が一括管理して貸し出すため、マシンによる有利不利が原則として生まれない。
勝敗を分けるのはドライビングと戦略のみという理念は、全員が同じマシンで競うeMSと重なる。
TGRは、Toyota Gazoo Racingのことで、以前からグランツーリスモ7内で同名義の大会を開催。
JEGTスペシャルアドバイザーの山中 智瑛氏も、かつて出場してワールドチャンピオンに輝いている。
本エキシビジョンに参戦する一般選手は、グランツーリスモ7内のTGRタイムトライアルの女性上位5名のドライバーたちだ。
そして、国内最大のeMSリーグを長年続けてきたJEGTが手を組んだことで、富士スピードウェイという最高の舞台でのオフラインレースが実現した。
参加選手は以下のとおり。※敬称略
翁長 実希選手(#7 nat team KCMG)
斎藤 愛未選手(#36 TEAM TOM’S)
佐々木 藍咲選手(#8 nat team KCMG)
白石 いつも選手(#17 Team ReFa with AIWIN)
松井 沙麗選手(#3 KeePer KONDO RACING)
| 使用コース | 富士スピードウェイ |
| 使用マシン | GRスープラ RaceCar ’19 |
| 周回数 | 8周 |
| 使用タイヤ | レーシングソフト |
| 燃料消費倍率 | 1倍 |
| タイヤ消耗倍率 | 2倍 |
いかにリアルとはいえ実車とは勝手の違うグランツーリスモ7を使用したバトルということで、eMSドライバーのほうが有利との見方は少なくなかった。
しかし、いざレースがスタートすると、KYOJOのプロレーサーたちの高いスキルと豊富な経験が光る。
最後まで勝者のわからなかった白熱したレースの模様を、併催されたスペシャルマッチとともに詳しくレポートしよう。
スタート直後に上位を占めたのは、戦前の予想通りTGR選抜のeMSドライバーたちだった。
また、オープニングラップでは一部でクラッシュも発生し、やや波乱含みの様相。
しかし、レースが落ち着いてくると、KYOJO勢の追い上げが始まる。
まず、松井 沙麗選手(#3 KeePer KONDO RACING)がするするとポジションを上げ、上位争いに食い込む。
さらに、レース中盤には、佐々木 藍咲選手(#8 nat team KCMG)が4番手までポジションアップの大健闘。
他のKYOJO選手たちも慣れないグランツーリスモに悪戦苦闘しながらも、TGR勢の一方的な展開は許さなかった。
特に注目を集めたのが、チェッカーフラッグまでもつれたトップ争い。
序盤の混乱をさすがのテクニックで抜け出した、TGR選抜の島津 舞央選手がトップ。
しかし、そのすぐ後ろには、松井選手が一時はコンマ数秒差に迫る僅差で追い続けていた。
最後は、グランツーリスモの実力を存分に発揮した島津選手が、松井選手の追撃を振り切りトップチェッカー。
最後まで首位争いを演じた松井選手は、わずかに届かず2位フィニッシュとなった。
3位には、はるばる沖縄から参加したしっぽ選手、4位は11歳のりん選手。
戦前の予想通りTGR勢が上位を占める結果となったが、2位の松井選手をはじめKYOJO選手もプロドライバーの意地を見せつけた。
5位の斎藤 愛未選手(#36 TEAM TOM’S)から8位の白石 いつも選手(#17 Team ReFa with AIWIN)までをKYOJO選手が占めたのだ。
TGR選抜選手の筐体にトラブルもあったとはいえ、しっかりとレースを作った。
エキシビションレースに続いて、JEGTならではのスペシャルマッチがおこなわれた。
KYOJO勢5名に加えて、JEGTから加藤 達彦選手(#54 MAZDA SPIRIT RACING with TC CORSE)、長 和樹選手(#610 KOSHIDO RACING)、山中 智瑛氏、沢 すみれさん、西澤 健太(ニシケン)氏をの総勢10名のスペシャルメンバーが登場。
富士スピードウェイ会場の当日募集で集まった一般参加者10名とそれぞれタッグを組み、チームバトルを繰り広げた。
一般参加者とJEGT勢がそれぞれ2周を走るという、ドライバー交代ありというJEGTオフラインレースではお馴染みのレースフォーマット。
序盤をリードしたのは、沢さんと組んだワッツアムーブ選手だった。
規定の2周をトップで帰ってきて、そのまま沢さんにバトンが渡るかに思われたがまさかのピットレーン入り口をスルー。
実況の鈴木 学氏から厳しいツッコミが飛び、1コーナーを回ったところで停車してドライバー交代を余儀なくされた。
レース後のインタビューで、沢さんから「こっそり3周目に行け!」と指示があったことが明かされ、会場は爆笑に包まれた。
そんなドタバタを尻目にレースを制したのは、JEGTのスペシャルアドバイザーを務める山中氏のチームだった。
9番手という後方スタートながら、ファーストドライバーのミッツ選手が着実に順位を上げる。
引き継いだ山中氏はさすがの走りをみせ、混乱を意にも介さずトップチェッカーを受けた。
2位にはニシケンチーム、3位には松井選手のチームが入った。
JEGTドライバーも含むeMSのエキスパートたちとの混走のなか、KYOJOの松井選手が3位に食い込んだのは見事な結果だといえるだろう。
男性に比べると体力面で不利とされる女性ドライバー、実車の世界では安全性やテクニック面から到底成立しないプロとアマチュアドライバーの対決。
年齢、性別、スキルや経験を超えて同じ土俵で対等に争えるのは、eMS最大の魅力といえるだろう。
KYOJOが掲げるイコールコンディションだが、参加選手の幅の広さという意味では究極形と言えるかも知れない。
ただ、eMSの世界でも、女性ドライバーが少ないというのは事実だ。
KYOJOの盛り上がりとともに、eMSでももっと女性選手に活躍してほしい。
JEGTも企業対抗戦でこそ女性ドライバーの参戦実績はあるが、認定ドライバーの登録はない。(※2026年シリーズ)
グランプリシリーズやチャレンジリーグにも、ぜひ多くの女性ドライバーにチャレンジしてほしい。
Text:渡邉 篤
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